僕は(そして弟もだが)別段作法やしきたりに厳しい家で育ったわけでは無いけど、ご飯に関するあれこれに一家言持っているみたい。主に、ご飯の食べ方あれこれで育ちが分かると思ってたりします。これは、すごくお上品で流麗な食べ方をしてるとか、そういうことじゃなくて、最低限のマナーの話。くちゃくちゃ音をたてないとか、箸で人を指さないとかね。
んで、僕が主に大事だなって思ってるのは「いただきます。」と「ごちそうさまでした。(長野では いただきました。)」のあいさつ。これが言えるだけで、その人の事を少し好きになる。
僕のバイト先であるフレンチレストランには、よく若年のご夫婦がいらっしゃいます。その旦那さんなんですが、僕が料理をサーブして「こちら、真鯛のポワレでございます。」と申し上げると「わー、いただきます。」と嬉しそうに手を合わせる。めっちゃかわいい。奥さんの方はそれをみながら「美味しそうねー。」と微笑んでいらっしゃる。めっちゃ美人。僕が作った料理じゃないのに、すごく嬉しいし、いつもより気合を入れてもてなしたいとも思うんです。
ごはんを食べることが、ただの栄養摂取に成り下がる事が多い現代社会ですが、「いただきます」と「ごちそうさま」を言う人には、ちゃんと食事と向き合ってる人が多い気がします。咀嚼して流し込む作業をするのではく、今この目の前にあるご飯を楽しもうという心意気が感じられます。僕は、一緒にご飯を食べるなら楽しく食べたいです。楽しむためには、一緒に食べる人もご飯を楽しもうと思ってないと、どうしても難しいものなんですよね。だから自然と、いただきますとごちそうさまを大事にするようになったのかもしれません。
飲み会で乾杯と一本締めはできるのに、毎日の食事でいただきますとごちそうさまが言えない大人にならないよう、気をつけたいものです。